監査報酬について

監査報酬の考え方 監査報酬の実態

監査報酬の考え方

公認会計士の監査報酬は、監査に必要な時間数に公認会計士の時間単価を乗じた額が基本となります。したがって、極端に監査報酬が低い場合は、特別な事情がない限り、監査を行う時間数が極めて少ないか、公認会計士の時間単価が極めて低いことが考えられます。

監査報酬の考え方 監査報酬の考え方

①監査予定時間

監査に必要な時間数は、学校法人の規模や状況によって異なってきます。帰属収入は多いのか少ないのか、設置している学校がいくつあるのか、往査場所(公認会計士が実際に足を運ぶ場所)は一つかそれとも全国にあるのか、寄附行為上の収益事業はあるのか、会計処理を行う部署の体制はどうなっているのか、日常の会計処理や決算処理の正確性はどの程度か、その学校法人特有の難しい問題があるのかなどによって監査時間を見積ることになります。
また、監査時間は学校法人に直接赴いて書類をチェックする時間だけではありません。監査の計画を立てたり、監査をした結果をまとめたり、学校法人の質問に対応したりといった時間も必要となります。

②監査に従事する公認会計士等の時間単価

この場合の時間単価は、監査を行う事務所の総経費(事務所の人件費や事務所の賃料等、事務所を維持していくための費用)を基に計算され、監査責任者や補助者のレベルによって時間単価を設定します。公認会計士の給与そのものではありません(念のため)。
一般的には、経験があり実務知識が豊富な者ほど時間単価は高くなります。監査責任者が高く、監査責任者以外の公認会計士はその力量に応じて単価を設定したりします。公認会計士試験合格者等は経験も少ないので単価は低くなります。
大手監査法人の場合、監査責任者は当然時間単価が高くなりますから、学校法人に赴いて何日も資料をチェックするとなると監査報酬もそれに合わせて高くなります。監査報酬の額が一定額であれば、監査責任者や経験の豊富な公認会計士が学校法人を訪れる日数を減らすしかありません。学校法人に訪れて実際の監査を行うのが若い公認会計士と試験合格者が中心となってしまうのはそのようなことも一因と考えられます。
岡部公認会計士事務所の場合、監査責任者を中心に経験豊富な公認会計士が学校法人の現場に赴き様々な書類をチェックしますが、大手監査法人に比べるとかなりリーズナブルな時間単価となっています。

③諸経費

往査場所がいくつもあったり、遠方にあると経費もかさみます。監査報酬とは別に宿泊費用等の実費を学校法人が負担する契約とすることが一般的です。

監査報酬の実態

監査報酬については、直近の計算書類の確認、ご担当者との打ち合わせを行い、日本公認会計士協会の「監査実施状況調査」で公表されている報酬を参考にして、お見積書をご提案させていただいております。岡部公認会計士事務所の場合、監査責任者を中心に経験豊富な公認会計士が学校法人の現場に赴き様々な書類をチェックしますが、大手監査法人に比べるとかなりリーズナブルな時間単価となっています。
ちなみに2018年度監査の調査及び2017年度監査の調査の概要は以下の通りです。2019年度以降についてはリンクをご覧ください。

2020年度監査

2019年度監査


2018年度監査

2017年度監査

上記のうち学校法人監査に係る部分を抜き出したものが以下になります。

2018年度監査実施状況調査 学校法人監査

文部科学大臣所轄学校法人

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
7億円未満 2,319 2,319 600
7億円〜10億円 2,903 8,600 900
10億円〜15億円 3,358 7,400 1,000
15億円〜20億円 3,869 9,780 1,500
20億円〜30億円 4,881 12,100 1,950
30億円〜40億円 5,422 9,000 1,500
40億円〜50億円 6,162 11,500 3,000
50億円〜70億円 6,602 12,400 2,457
70億円〜100億円 8,081 20,000 4,600
100億円〜150億円 9,327 18,590 4,500
150億円以上 14,587 77,777 3,240

高校・中学・小学校法人

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
3億円未満 995 3,300 200
3億円〜4億円 1,372 3,500 400
4億円〜5億円 1,551 4,000 500
5億円〜6億円 1,849 6,600 568
6億円〜7億円 1,897 5,000 600
7億円〜8億円 2,084 5,110 700
8億円〜9億円 2,271 4,500 400
9億円〜10億円 2,358 5,680 500
10億円〜20億円 2,881 9,075 700
20億円以上 4,407 15,500 800

幼稚園法人(学校法人以外の私立の学校の設置者を含む)

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
3,000万円未満 409 860 140
3,000万円〜4,000万円 472 1,296 185
4,000万円〜5,000万円 443 1,050 100
5,000万円〜6,000万円 494 1,600 150
6,000万円〜7,000万円 503 1,800 90
7,000万円〜8,000万円 564 3,520 120
8,000万円〜9,000万円 531 1,315 100
9,000万円〜1億円 592 1,900 100
1億円〜1.5億円 632 3,000 150
1.5億円〜2億円 723 2,700 120
2億円〜3億円 817 3,192 185
3億円以上 1,176 10,935 200

施設型給付費を受ける教育・保育施設等

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
5,000万円未満 358 530 200
5,000万円〜6,000万円 368 650 150
6,000万円〜7,000万円 456 820 200
7,000万円〜8,000万円 413 800 200
8,000万円〜9,000万円 449 938 200
9,000万円〜1億円 454 800 100
1億円〜1.5億円 518 1,500 200
1.5億円〜2億円 575 1,800 200
2億円〜3億円 594 1,700 185
3億円以上 884 3,000 100

2017年度監査実施状況調査 学校法人監査

文部科学大臣所轄学校法人

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
7億円未満 2,319 4,750 600
7億円〜10億円 2,903 8,600 900
10億円〜15億円 3,358 7,400 1,000
15億円〜20億円 3,869 9,780 1,500
20億円〜30億円 4,881 12,100 1,950
30億円〜40億円 5,422 9,000 1,500
40億円〜50億円 6,162 11,500 3,000
50億円〜70億円 6,602 12,400 2,457
70億円〜100億円 8,081 20,000 4,600
100億円〜150億円 9,327 18,590 4,500
150億円以上 14,587 77,777 3,240

高校・中学・小学校法人

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
3億円未満 995 3,300 200
3億円〜4億円 1,372 3,500 400
4億円〜5億円 1,551 4,000 500
5億円〜6億円 1,849 6,600 568
6億円〜7億円 1,897 5,000 600
7億円〜8億円 2,084 5,110 700
8億円〜9億円 2,271 4,500 400
9億円〜10億円 2,358 5,680 500
10億円〜20億円 2,881 9,075 700
20億円以上 4,407 15,500 800

幼稚園法人(学校法人以外の私立の学校の設置者を含む)

帰属収入額区分 監査報酬(千円)
平均 最高 最低
3,000万円未満 409 860 140
3,000万円〜4,000万円 472 1,296 185
4,000万円〜5,000万円 443 1,050 100
5,000万円〜6,000万円 494 1,600 150
6,000万円〜7,000万円 503 1,800 90
7,000万円〜8,000万円 564 3,520 120
8,000万円〜9,000万円 531 1,315 100
9,000万円〜1億円 592 1,900 100
1億円〜1.5億円 632 3,000 150
1.5億円〜2億円 723 2,700 120
2億円〜3億円 817 3,192 185
3億円以上 1,176 10,935 200